星空けい展が9月27日〜10月9日まで、銀座の晶アート二階ので催された。
東京メトロ銀座線から、雨の日の昼下がり、レトロなまち銀座に私は降り立った。
最初の路を入ってすぐ、「ぶどうの木」の向かいの小さな白い空間で、私は初めて鉛筆画のセカイに触れた。
5H〜5Bまでの、硬い芯の鉛筆はタテに使い、やわらかい芯の鉛筆は寝かせて使う。
シンプルな技法に、グラデーションの豊かさとデッサンの確かさがかいま見えた。
ケント紙の白い余白が作品に生かされていて、ふと日本画の空間を連想させた。
虎の手本を見て虎を描こうと思っても、どうしても最初は猫の絵になってしまう。
「Tiger」は虎、「Cat」は猫に描けるって、ホント修練なんだよね。
「少年兵」と題された作品は、後光が射し込むように銃を乱射する少年の姿がクッキリ浮かび上がり深く印象に刻まれた。
一瞬テロリストかと思ったら、澄んだ透明な眼差しの少年だった。
なぜ人を殺してはいけないの?
と静かに問いかけていた。
「異国へ」と題された作品は、おびただしい蝶の群れが、海を渡ってゆく。
鳥のように海の上で羽を休めることなく、遠い国へ旅する蝶たちを牡丹の花に変貌する波が誘う。シンボリックなイメージだった。
メアリーさんの幻想画のセカイには薔薇がよく現れる。薔薇は帽子にも小物入れにも似合うとか。
シェークスピアにも、オフィーリアがハムレットを「この美しい国の希望にして薔薇」て呼ぶシーンは印象的だ。
日本で桜が人生の儚さを象徴するように、英国では「五月の薔薇」オフィーリアに人生の儚さをイメージするのかも知れない。
ジョン・エヴァレット・ミレーの描く薔薇に埋め尽くされた川をゆく「オフィーリアの死」を見てみたいと思った。
日本では中秋の名月は、「望月」と呼ばれめでたいけれど、西欧では満月は不吉なイメージって初めて知った。
満月はほんの一瞬でやがて欠けてゆくけれど、三日月にやがて満月になる希望を見るのかも知れない。
「クレッセント」は弓張り月と呼ばれるように謎めいて見える。
「希望」と題された作品は、遠くを見てる少年と雷鳴と狼が描かれている。
雷鳴は日本では稲妻って言われるように、実りの秋をもたらす前兆で、まさに希望ですね。
自然に囲まれた環境にいるメアリーさんに、もし熊が出たらと聞いてみると、死んだふりではなくって、鈴を鳴らすといいんですとのこと。
イノシンとかは、傘を広げると自分より大きい生き物と思って逃げてくんですって。
狼ってグリム童話の「赤ずきんちゃん」に象徴されるように西欧のメルヘンではなじみ深い。
三才まで人間って、過去世の記憶を持ってて、子どもの時、ロシアの雪の中で狼に食べられて血だらけの死体となっていた夢を見たというエピソード聞いて、やはりメアリーさんは魔女かなあって思ったよ(笑)
星空けい展は、銀ブラとワインの似合うまちのフシギな幻想画のセカイだった。







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# by lotusflower7 | 2010-10-19 15:30 | アートのせかい | Trackback | Comments(2)

花散里—Floral River


彼女はあやなす色の箒で掃く?
そしてこまぎれを残していく?
ねえ夕方の西空のおかみさん?
戻ってきて、池も掃除してちょうだいな!

紫のもつれ糸を池に落としたでしょ?
琥珀色の糸くずを落としたでしょ?
そしていま東の空いっぱいに散らかしたわね
エメラルドのぼろきれを!

なのにまだ、彼女はまだら模様の箒をせっせと動かし、
まだエプロンをひるがえしている、
やがて箒がそっと星のあいだに消えていく?
それから私もいなくなる?

エミリー・ディキンソン

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# by lotusflower7 | 2010-08-17 15:38 | Trackback | Comments(0)

露草の庭—Dewy Garden


詩人たちのうたう秋のほかに
いささか散文的な日々がある
雪のちょっぴりこちら側
靄のあちら側の日々?

エミリー・ディキンスン

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# by lotusflower7 | 2010-08-16 21:20 | Trackback | Comments(1)

花のまなざしから、こころに響くアートのセカイ、描きます 


by HANA